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●日本が「薄荷王国」だった時代 ハッカは、一千年以上昔に中国から伝来したとも、日本各地に自生していたとも言われますが、有用作物として栽培されるようになったのは江戸時代のこと。1817年(文化14年)、備中門田村(現岡山県総社市)の秋山熊太郎という人が、江戸から持ち帰った日本薄荷の根を栽培したのが最初とされています。
その後、1854年(安政元年)には、備後助元村(現広島県駅家町)の佐藤玄三郎も薄荷栽培を開始。ほぼ同時期に山形に、さらに時代を下って1891年(明治24年)頃には北海道にも伝播。1937年(昭和12年)頃には、日本は世界総需要量の9割を占める薄荷王国へと躍進していました。しかし、第二次世界大戦後、薄荷の作付面積は激減。1954年(昭和29年)の生産高は最盛期のわずか7%にまで落ち込み、今では北海道の北見地方でわずかに栽培されるのみとなっています。 |
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